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鍼灸Q&A

Q 鍼は痛くないですか?
鍼治療に用いられる鍼は、注射針や縫い針とは違い繊細でしなやかなものです。だから刺すような痛みはほとんどありません。この刺痛とは別に鍼には独特の"ひびき"があります。この"ひびき"のことを「得気(とっき)」といいます。だるい、はれぼったい、重い、しびれるような感じで、ズシーンとひびきます。適当な表現がないので、皆さん痛いとおっしゃいますが、不快な感覚ではありません。慣れるとスヤスヤと寝入る人もいます。「得気」には、病所で滞っている気を巡らす作用があり、気が通じれば、病は快方に向かいます。

Q お灸は熱くないのですか?
お灸は”有痕灸”と”無痕灸”に大きく分けることが出来ます。有痕灸とは読んで字のごとく灸のあとが残る施灸法で、① 透熱灸 ② 焦灼灸 ③ 打膿灸の三つに分類され、基本的に熱いです。① 透熱灸(とうねつきゅう)とは、米つぶや胡麻つぶ程の大きさの艾(もぐさ)を直接皮膚に置いて施灸するもので、一瞬だけですがピリッと熱さを感じます。 ② 焦灼灸(しょうしゃくきゅう)とは、イボ、ウオノメなどを直接焼き切りおとす施灸法で、ポイントに当たるとさほど熱さは感じません。 ③ 打膿灸(だのうきゅう)とは、親指大(直径約1cm、高さ約2cm)の艾を直接皮膚上に立てて火をつける施灸法です。大阪の無量寺灸などが有名です。この灸法を用いる治療所には、熱さをこらえる為に手すりのような”我慢棒”が患者の前にあり、それを握りしめて熱さをこらえます。まるで拷問のようですが、ヘルニアが治ったという人もいます。無痕灸は、一般的にそれほど熱くなく、お灸のあとも残らない、とても気持ちの良いお灸です。 ① 知熱灸  ② 温灸 ③ 隔物灸 ④ 艾を使わないお灸 の四つに分類されます。 ① 知熱灸(ちねつきゅう)とは、透熱灸のようにお灸を据え(大きさは様々)、途中で火を消す灸法で、八分灸、九分灸などと呼ばれています。 ② 温灸(おんきゅう)とは、艾を患部から離して燃焼させるもので、千年灸様のもの、または棒状にした艾を患部に近づけて温熱刺激を与えるものなどがあります。 ③ 隔物灸(かくぶつきゅう)とは、艾と皮膚の間に何か物を置いて施灸する方法で、置くものによって名前がつけられます。ニンニクを間に挟むとニンニク灸、以下しょうが灸、味噌灸、塩灸、びわの葉灸などがあります。ちなみに、研修に行った北京の病院では、しょうが灸を施していました。 ④ 艾を使用しない灸には、うるし灸などがあり、主に薬物の刺激を皮膚に加えることを目的としています。 当院では、治療目的に沿った、尚且つ、患者さんの同意と選択により、治療していきます。

Q 鍼の衛生管理について教えてください?
当院では患者さんの鍼を個別に管理させていただきます。つまり1度Aさんに使った鍼はAさんにしか使用しません。また1回1回の治療後ごとに、アルコール消毒→熱湯洗浄→超音波洗浄→流水洗浄→オートクレーブの高圧滅菌処理(2気圧・132℃の高圧滅菌であらゆる細菌とウイルスは死滅します)→個人名入りの試験管にて保管 の手順で管理させていただいています。

Q 鍼灸ってどんな病気に効くの?
みなさんもよくご存知のように、腰痛、ギックリ腰、坐骨神経痛、頭痛、肩こり、五十肩、寝違い、テニス肘、腱鞘炎、膝の痛み、捻挫など、運動器疾患には、ほとんど有効です。事実、鍼灸院に来る患者さんの80~90%がこれらの疾患です。しかしその一方で、内科、婦人科、アレルギー、耳鼻科、小児科等、広く適応することはあまり知られていません。【WHO(国連世界保健機構)においては、鍼灸治療が250の疾患に有効であると認定しています。】二天堂では初診時の問診において、お悩みの症状以外にも過去の病歴や現在の体調、病気等詳しくおたずねいたします。東洋医学の治療は、今起きている症状を体全体からとらえ、バランスを整えることにより治癒へ導きます。基本的に対処できない病気はありませんが、適応、不適応はあります。それを見極める診断能力は非常に重要です。当院では、現代医学、東洋医学の両面から総合的診断をおこないます。

Q 鍼と灸では効果が違うのですか?
厳密に言えば、刺激の質が異なれば、効果も違います。鍼は交感神経の緊張を和らげ、灸は副交感神経の緊張を和らげることがわかっています。 交感神経が緊張すると、疼痛全般、肩こり、冷え症、手足の発汗、めまい、吐き気などの症状があらわれます。副交感神経が緊張すると、喘息、アトピー、過敏性腸症候群、花粉症、アレルギー性鼻炎、じんましんなどの症状があらわれます。また、高齢者の方には灸をおすすめします。灸は免疫力の向上、滋養強壮作用が強く、高齢者の健康管理にはバツグンです。施灸後、ホクロくらいの痕が残りますので、ご自宅でもそこに灸をすえていただくと、さらに効果的です。

Q 鍼治療でダイエットできますか?
ダイエットには、耳のツボを使います。耳ツボに粒鍼(仁丹大の金属粒)を貼りつけますが、耳は片方ずつ1週間交代で使用します。私の臨床経験では、10人中3人くらいの確立で非常によく効く人がいます。少ない食事量で満腹感が得られるようになります。過去10キロ以上の減量に成功した人もいらっしゃいます。ですがあまりいい確立ではないので、当院では耳ツボ・ダイエットは原則としてお受けいたしません。ただし、健康上の理由からどうしてもダイエットの必要な方はご相談ください。

Q どれくらい通院すれば治りますか?
運動器疾患の場合、軽症の方ならば1~3回、重症の方ならば5~10回が目安です。慢性の疾患や複雑な病気については、経過を診つつ治療させていただきますので、はっきりした回数をお伝えできないこともあります。また当院では、日常の健康管理に通院される患者さんもたくさんいらっしゃいます。東洋医学には「未病治」という言葉があります。これは大事にいたる前に病気を予防するという考えです。鍼灸はからだにやさしい治療法です。どうぞ、あなたの健康管理にお役立てください。

治療後の注意

Q 治療後の過ごし方は?
治療後は安静に過ごしてください。治療後は、筋肉の緊張がとけ、血液循環も良くなり、副交感神経もよくはたらきます。つまり、からだはリラックス、休息モードなのです。この状態を長く維持してください。できれば2~3時間は横になっていてください。そうすれば治療効果も倍増します。治療の日は、身のまわりの雑事は片付け、治療の後は、ゆっくり過ごせるようにしていらしてください。

Q 治療後はお風呂に入ってもいいですか?
注射のあとは入浴を控えるように注意されますが、鍼の場合は入浴しても大丈夫です。鍼灸の鍼は髪の毛と同じくらい細く、また注射針のように管状でもありません。だから皮膚への損傷はほとんどなく、入浴中にバイ菌がはいる恐れもありません。ただし治療後はからだの中でさまざまな反応が起きています。少し休んでから、いつもより短めに入浴してください。

Q 治療後にお酒を飲んでもいいですか?
治療した日は、お酒を控えてください。どうしても我慢できない人は、缶ビール(360ml)1本程度なら結構です。治療後は、内臓のはたらきもよくなり、たいへんおいしく召しあがれますが、ついつい過ごしがちになります。過ぎた飲酒は、血液循環や新陳代謝を低下させます。一方鍼灸治療は、血液循環や新陳代謝を高める作用があります。もうお分かりですね。飲みすぎは治療効果を相殺します。治療後の飲酒は控えめに、あるいは禁酒が望ましい姿勢です。

Q 次はいつ治療に来たらいいですか?
鍼灸治療の効果が持続している間に、次の治療にいらしてください。間隔が空き過ぎると病状が元に戻り、なかなか治癒に向かいません。これでは何度いらしていただいても、その場、その時のお疲れをとるくらいのことしかできません。最初の内はできるだけ間隔を詰めて(少なくとも週1回から2回)通院していただければ効果的です。その後、病状をみながら治療の間隔を調整させていただきます。

Q 治療の副作用について教えてください。
治療後に、痛みが増したり、からだがだるくなったりする人が稀にいらっしゃいます。例えば自律神経のバランスに乱れがあると、治療後に体調が変化し、全身だるくなることがあります。また、運動不足で新陳代謝が衰えていると、代謝が盛んになり、運動時と同様の疲れがでます。あるいは、患部に知覚マヒがあると、感覚がよみがえり、痛みが復活したりします。これらは正しい治癒反応です。心配なさらず、安静に過ごしてください。鍼灸治療は薬物療法のように、痛みやしびれ、だるさといった症状を抑える、対症療法ではありません。もともと痛みやしびれ、だるさなどの症状は、からだの治癒反応として起きている側面があります。ですから痛み止めなどで、むやみに症状だけを抑えるのは、からだの自然治癒力を止めていることになります。これに対し、からだの自然治癒力にはたらきかけ、治癒を促進するのが鍼灸治療の特徴です。他に、鍼治療後に皮膚に青あざができることがありますが、これは皮下の静脈からの内出血で問題はありません。2週間程度で綺麗に消失します。