スタッフ Staff

訪問鍼灸サービスセンター院長
鍼灸師 風間真吾


僕が鍼灸師になった経緯東京の大学を出て薬品会社に就職したもののなにか違和感を感じていた僕は会社を辞め、マッサージの免許を取りたいと思っていました。

当初はマッサージのアルバイトをしながら学費を稼ごうと考えていたのですが、時給が安い上に、素人はなかなか雇ってもらえませんでした。
そこでマッサージのアルバイトはあきらめ、早く学費を貯めるためにある程度給料のいい会社に再就職します。そこでは慣れないパソコンや、座っての業務がほとんどでした。ストレスと長時間の座り仕事で僕はいつの間にか腰痛持ちになっていました。

そこで、身を持って体験してみようとマッサージを受けたり整体、カイロプラクティックなどいろいろな療法を受けたのですが、腰は悪くなる一方でした。(もちろん個人差があり、これらの療法で症状が良くなる方はたくさんいらっしゃいます。)




ある時勤め先の社長が、鍼を受けてみてはと勧めてくれました。けれど鍼はそれまで体験したことがなく、こわいと感じたのでどうしても受ける気になはれませんでした。
そうしている間にも腰は悪くなる一方で、机の上にダンボール箱を置いて、その上で立って仕事をする有様でした。痛くて5分も座っていられないのです。

その期間も鍼以外の療法は受けていたのですがまったく良くなる兆しがありません。(しつこいようですがあくまで僕の体験で、良くなる方はたくさんいらっしゃいます。)

『これはもう鍼を受けるしかない』と、僕は決心しました。
社長に鍼灸院を紹介してもらい、それはもう死ぬほど緊張して治療院に向かいました。なぜならその鍼の先生の腕はとても評判がいいのですが、かなり痛いとのことなのです。

世の中には痛くない鍼もたくさんあるらしいのですが、見ず知らずの鍼灸院に行くのもこわいので仕方なく決心しました。


待合室で呼ばれるのを待っていると、「ぎゃー!」とか「イタイイタイ!」と叫び声が…。『いったい何をしているんだ…。』

そうこうしているうちに自分の番が来ました。診察室の扉を開けるとそこには70歳くらいのやさしそうな先生が座っています。
しかしそのやさしそうな先生の前にはいくつもの血痕のあるシーツが。やっぱり引き返そうかと思っている間に僕はパンツいっちょうに。

「先生、僕初めてなんで、やさしくしてください!」

先生はいい笑顔をして
「大丈夫、大丈夫^^」

次の瞬間、グサッ、「ううっ!」グサッ、「ううぅっ!」

「もっとちからを抜きなさい」と先生。絶対ムリです。もう何本の鍼を刺されたのか、得体の知れない痛み(ひびき)が何分も続くなか、ただひたすらにちからを込め「かみさま早く終わってください」と祈るだけ。

どれくらい時間が経ったのか、気がつくと汗びっしょりで放心していました。
「はい、もういいよ。きみ、緊張しすぎて刺しにくかったよ」と先生。
言い返す元気もなく無言で立ち上がると…
『ん?あれ?…痛くな~い。ウッソー。痛くない!』
施術前は痛くて10センチしか前屈できなかったのに、
床に指が着く!!パンツいっちょうで。
「先生!ありがとうございました。」

治療院を出て家に向かう道すがら、『マッサージじゃない…これ(鍼)だ。』と、確信しました。『こんなことができたらどれだけの人が癒されるだろう。どんなに楽しいだろう。』
こうして僕は、鍼の道に入っていったのでした。

後々、鍼の世界のことがわかってくると、いまどきパンツいっちょうだとか血痕つきシーツの治療院はなかなかないようです。それから絶叫が聞こえる治療院も。
ちなみに僕の鍼は、ほとんど痛くありません(笑)。でもありがとう、〇〇先生。